VOICE20| 2022年10月
木の優しさに包まれたティールーム
柔らかな木で包まれた空間に、瑞々しい茶葉の香りが広がるティールーム。扉を開けた人だけが知ることの出来る居心地のよい隠れ家。ここは、日本に紅茶を広めた第一人者・磯淵猛氏の想いを継ぐ、株式会社ティー・イソブチカンパニーのオフィス兼店舗です。新たな一歩を踏み出すための場は、木が優しく呼吸しています。この場が出来た道のりを、社長の伊東様にお聞きしました。
─ 藤沢市鵠沼 ティー・イソブチカンパニー社屋
- 住 所:
- 藤沢市鵠沼
- 構 造:
- 木造地上2階建て
- 敷地面積:
- 169.26㎡
- 建築面積:
- 93.56㎡
- 延床面積:
- 182.20㎡
- 建築事務所:
- 一級建築士事務所やしろ設計室
- 設計監理:
- 一級建築士事務所やしろ設計室
Q. 建物の使い心地はいかがでしょうか。
とても良いです。色々と考えて設計していただき、現場でも沢山工夫をして下さいました。オフィスとティールームは、携わっている業務もスタッフも全く違いますが、どちらの場所も困る事が全然ありません。オフィスは家具が多いですが、ゆとりを感じますし、お店は賑わっていても周囲の声が気にならず、お客様の満足度が高いです。どちらも、建物のつくりのおかげだと思います。
Q. どんな所が気に入っていますか?
ティールームの壁側のベンチに座った時に見える、天井の高い景色がいいですね。入口から狭い道を通ってきて、ここに来た時に開けた空間になるので、スペースの狭さを感じさせません。一見硬そうに見えるベンチは、とても座り心地が良くて長居をする方が多いです。 お客様から「靴を脱ぎますか?」と聞かれるほど、住宅のように感じてリラックスしていただけています。オフィスエリアも同じで、私たちも、いわゆる事務所感の無い住宅風の雰囲気が心地よく、生活の延長にある感じが気に入っています。
Q. 設計を八代先生、施工をキクシマに決めた経緯を教えてください。
八代先生とは元々接点がありました。ティールームを経営される奥様とは昔からの友人なのです。今回の新築にあたり、何か新しい事をしたいという気持ちがありました。そこで、今まで卸売で実店舗が無かったので、お客様との接点を持ちたいと感じ、ティールームを作る事を決めました。彼女のお店を訪れ、八代先生の設計されたナチュラルな空間を見て、「依頼するなら八代先生!」と強く思いました。キクシマさんは八代先生が紹介して下さいました。ヒアリングから建設中の定期的なフォロー・施工後のアフターフォローに至るまできめ細やかで、お聞きしていたお話し通りでした。
Q. 建築家と作ってみていかがでしたか。
平面の図面から出来上がりのイメージが沸くのが、凄いなと思いました。例えば、ネットショッピングだと画像のイメージと現物が違って、がっかりする事がありますが、そういう事は全くなく、期待以上の良い物ばかりでした。建物が出来上がっていく過程を初めて目にして、感動しましたね。また、八代先生と奥様の二人とのご縁から、一緒に物を創り上げた嬉しさ、愛着があります。憧れていた優しい木の風合いを、私たちが使える事になって嬉しいし、木造建築のこだわりを共有できる事も嬉しかったです。
担当者から
ティー・イソブチカンパニーさんは、日本の紅茶業界を牽引してきた故・磯淵猛氏の想いを継ぎ、紅茶の卸売り・小売りをされています。一新した社屋は、優しい自然の木をふんだんに使った2階建ての一軒家のようで、ティールームを併設しています。木目や幹、さらりとした手触り等の木の質感、差し込む光、巧みな間取り構成で、肩の力が抜けるような居心地の良い空間が生まれました。モットーにされている“ナチュラル”を追求し、八代先生と伴走しながらこの場を築かれた伊東様。根底にお持ちの「美味しい紅茶を届けたい」という温かな想いが、そのまま建物に巡っているように感じました。本日は、数々のお話しをありがとうございました。