VOICE19| 2020年10月

能動性が築きあげた家

静かな住宅街の角地にある、リズムよく開口部が配された白壁の家。一見クールな佇まいですが、周囲から家中を巡る植栽と種種取り入れた木が温かく親しみやすい空間を生んでいます。H様は一つ一つを納得するまで確かめながら、この家を築いていきました。H様ご夫婦にお話しをお聞きしました。

─ 港南区 港南区の住宅

住  所:
横浜市港南区
構  造:
木造地上2階建て
敷地面積:
139.16㎡
建築面積:
70.01㎡
延床面積:
110.37㎡
建築事務所:
saji architects 一級建築士事務所
設計監理:
saji architects 一級建築士事務所

Q. 住み心地はいかがでしょうか。

奥様「とても良いです!過ごす時間の長いリビングが2階なので、とても暖かくて快適ですね。夏はエアコンとサーキュレーターで涼しくなりますし、真冬は床暖のみで過ごせています。」旦那様「リビングが2階だと明るいのもいいですね。天井を高くしたので開放感もあります。」奥様「外構はオープンにして植物を沢山植えたので、四季の花を目にした近隣の方から声を掛けていただけ嬉しいですし、引っ越し後すぐに馴染むこともできました。」

Q. 気に入っている所やこの家で良かったなと思う所はありますか?

奥様「家事動線が良い所が気に入っています。生活スペースを全て2階に配したので、日常の行動は全て2階で完結できます。家事室には衣類収納があり、“洗濯して干して畳む”が一直線にできてとても便利ですね。雨の日や花粉の日、日照時間の少ない冬など、一年通して外干しが出来ない日は意外とあるので、部屋干しスペースがたっぷりあるのも嬉しいです。外干しスペースも隠れた位置にあり、目に付かないのもいいですね。また、キッチンとダイニングテーブルも繋げていて、“料理・配膳・片付け”も一直線で出来ています。」 旦那様「玄関を広めにとったので靴磨きなどの作業ができ、好きな時間を過ごせるのが気に入っています。」

Q. 田所先生や弊社に決めた経緯をお聞かせください。

奥様「元々建築家で家を建てようと決めていて、色んなブログを検索し、展示会やオープンハウスにも数多く足を運んでいました。2~30軒行きましたね。SNSやブログは一つ一つお気入りへ入れて、その中でも(キクシマ施工の)M様邸のブログが胸に響き、こういう風に作りたいと思ったのが始まりです。M様邸オープンハウスで田所先生にお会いし、お話しした感じや家の雰囲気などから、こういうセンスの方に設計してもらいたいなと心が決まっていきました。その際、神奈川県内の家はキクシマさんに施工依頼していると聞き、技術の高さを感じていたので、もちろんお願いしたいと思いました。また、ブログの中で田所先生、キクシマさんの仕事への姿勢や丁寧さを知っていたのもありますね。」

Q. 建築家との家作りはいかがでしたか。

奥様「田所先生はこちらの話や要望に耳を傾けてくれる方でした。要望が設計的に難しくても、私たちが納得できる代替案を提示して下さいました。その代替案は私たちの想像を超えることが何度もあり、「それ良いですね!なるほど!」というのが沢山ありました。やはりプロは凄いなと何度も感動しましたね。設備等は一緒にショールームへ行き、確認して決めるのが楽しかったです。打ち合わせ回数は多いのですが、その分、一つ一つ納得して進められるので信頼に繋がりました。」

Q. キクシマに依頼してみていかがでしたか?

奥様「コロナの流行り始めに地鎮祭を行い、工事期間中はずっとコロナ禍だったのですが、大幅なスケジュール変更は無く、無事に竣工できて有難かったです。技術レベルの高さはM様邸で分かっていたので、そこは安心感しかなくワクワクしていましたね。現場監督さんも話しやすい方で、疑問点にも直ぐ回答してもらえたので、とても信頼でき頼りにしていました。職人さんも全ての方がプロで、ちょっとした事を聞いてもきちんと返してくださり、安心してお任せしていました。」

Q. 最後に、H様にとって「家づくりで大切」と思う事をお聞かせください。

奥様「自分たちの生活スタイルをよく見直して、納得するまで調べること。また、曖昧にして他人任せにしないことが大切だと思います。引っ越す前に持ち物を全て書き出して、物量を把握し、どの位の収納スペースが必要か、子供が成長したら数年後どうなるかなど、様々な角度から調べて田所先生と共有しながら設計に当て込んでもらいました。夫婦間で考えのすり合わせや情報共有も必ずしていましたね。」旦那様「設計に1年以上と時間はかかったのですが、自分たちが住む家なので、他人任せにせず意見を言い、すり合わせていく事が大切だと感じました。それを面倒くさがってサボってはいけないと思います。」奥様「そしてそれを皆でとことん楽しむのも大切かなと思います。一生に一度あるかないかの事ですし、30~50年と住むのですから。ちょっとした事でも必ず自分たちの目で見て進めて・・そんな家作りはとても楽しかったです!」

担当者から

H様邸はスッキリとしたシンプルな造りに、天井や床、建具、家具等にふんだんに取り入れた木が合わさり、モダンさと親しみやすさがバランスよく両立した空間になっています。木はトーンを統一しながらも様々な木目で表情豊か。四方の開口部からは柔らかな陽光が差し込み、室内は明るく穏やかな時間が流れています。H様の家作りは一つ一つを調べ確認する事で進んでいきました。足を運んでの情報収集、暮らしの見直し、自分たちに合ったものの見極め。その細かな積み重ねは、健やかで誠実な空間として家中を優しく巡っているように感じます。お二人の表情には“自分たちの家なのだから自分たちが動く”という能動性でしか実現できない充足感が溢れていました。本日は、沢山のお話しをありがとうございました。

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