VOICE17| 2020年8月
想像から創造された一室
ミッドタウンの高層に隠れた、洗練されたスタイルの一室。洒脱なバーのようなダイニングキッチン、ガラスのキャットウォーク、ゆとりのあるリビングでは、人も動物も共に心地よい時間が流れています。平凡な白い一室は、暮らしの想像を重ねることで、思い描いた住まいに生まれ変わりました。M様にお話をお聞きしました。
─ 西区 MSproject
- 住 所:
- 横浜市西区
- 構 造:
- 敷地面積:
- 建築面積:
- 延床面積:
- 100.91㎡
- 建築事務所:
- リツデザイン一級建築士事務所
- 設計監理:
- リツデザイン一級建築士事務所
Q. 住み心地はいかがでしょうか。
とても良いです。3人それぞれの生活を想像して汲み取りながら作っていただいたのですが、その想像通りで住みやすいです。持っている物や使用頻度等、動きを考えて設計されているので、置き場がないとか探し物が見つからない等もなく、不便がないですね。戸建てに比べると限られたマンションのスペースも最大限活かされて、気持ちよく過ごせています。
Q. 気に入っている所やこの家で良かったなと思う所はありますか。
飼っている猫と犬がストレスにならない環境を希望していました。そこで、インテリアに合わせたキャットウォークを作ったのですが、猫が上、犬が下と縦に住み分けが出来て、良い距離感が実現しました。猫は気まぐれなので実際使ってくれるか分かりませんでしたが、自分のテリトリーができて凄く喜んでいますね。また、私たちは2LDKに3人で暮らすので、寝室3つと広いリビングも希望でした。結果、窓がない部屋もあるのですが、工夫で上手く光が取り入れられて、素っ気なさはありません。リビングを広くするため、キッチンとダイニングを一体化したのですが、調理台としては広くて使いやすいし、食事も出来て省スペースになり気に入っています。最初からイメージしていたのでは無く、吉田先生(建築家)と話を進める中で提案いただき生まれた形です。
Q. 建築家との家作りはいかがでしたか。
かなり何でも出来る事に驚きました。初めに検討していた他社では、空調や照明等動かせない物はそのままで、今ある物を活かして綺麗にという提案でした。マンションは規制が多く、そういうものかな・・と思っていましたが、吉田先生は先ず、「自由に話して下さい。」と言ってくれました。そもそも何故引っ越すのか、誰が住みどんな生活をしているのか、何が好みか・・などを聞いてもらい、「それならリビングが広いといいよね?」等、暮らしてからの事を想像して提案してくれたので、全然スタイルが違うなあと驚きましたね。また、吉田先生は“汲み取ってくれる力”がとても良かったです。ショールーム等へ行く時間が作れず、ほとんど提案してもらったのですが、少ない打ち合わせの中で私の好みや生活を細かく言わずとも汲みとって提案してくれました。実際に出来上がって納得感がありますし、信頼できる先生でした。
担当者から
M様邸は、全体にライトグレーを基調とし、アイアンの黒やインテリアの木が絶妙な分量で混ざりあっています。そこに、間接照明のオレンジ色が落ち着きを生み、ホテルのラウンジのようなスタイリッシュな空間になっています。頭上を巡るガラスのキャットウォークはアクセントになりつつ、猫だけの悠々自適な場と、犬には穏やかなフロアの憩いが出来ました。もともと2LDKだった部屋を3人で住むためのリノベーションでは、既存建築に捉われず、間取りも雰囲気もゼロから作り替えています。面白いようで難しさもある“ゼロ空間”に、M様方は建築家と手を取り合いながら、想像に想像を重ね暮らしのイメージを強固に築き上げました。住まう人と動物、全ての事を想いめぐらしたイメージは様相も体感も実現するのですね。M様の「想像通り!」という一言に、創造された至福の暮らしの喜びを感じました。M様、ご多用の中、様々なお話しをありがとうございました。