カテゴリー別アーカイブ: タテモノ日記

タテモノ日記.017

またまた、前回の更新から時間が空いてしまいましたが・・・、
タテモノ日記を更新したいと思います。気づいたら、今年も最後の更新です・・。
今回は、前回の更新からの続きで、広島平和記念資料館からつながる景観軸の先に立つ建物の紹介です!

広島でもあまり知られていないかもしれませんが、この軸の先に建っているのは、
“広島市観光局中工場”。通称“中工場(なかこうじょう)“です。
この中工場、吉島通りのラインに合わせて、「エコリウム」というガラスの歩行者通路が建物を横断して海まで延びて抜けるようなに計画された工場です!
実に明快でわかりやすいです。

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この吉島通りの先に平和記念資料館があります。
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余談ですが、私は大学時代この中工場の現場事務所に模型を手伝いに行っていたのでとても懐かしい場所です。原寸模型を持って現場に入れてもらったのが懐かしいです。

それでは、中工場の話に戻りましょう!
設計は、谷口建築研究所。竣工は2004年です。
建物日記でも初めの頃に紹介した、葛西臨界水族館のガラスドームの設計の、
谷口吉生さんです!!

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ちなみに、先程から中工場と言っていますが、中工場って何の工場??と思いますよね。
実はこの中工場は、”清掃工場”です!!広島のごみが毎日、清掃車で運ばれてきています。ということは、・・・そうです。高くそびえたつあの筒は、工場の煙突です。
清掃工場も、デザインと素材でこんなにも建物の印象が変わるんだ!と
改めて驚きです。清掃工場と言うと、なんだか厚い壁で隠してしまいたくなりますが、そこをあえてガラスと金属の箱でクリーンで近未来的に、見せる清掃工場です!

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さて、中に入ってみましょう!
このガラスの筒の歩行者通路は、日中は毎日解放されて、誰でも中に入ることができます。
歩いた人しか分かりませんが、通路は驚くほどきれいです。そして、ガラス越しに稼働中のゴミ焼却装置を見ることができます。実はこの機械設備。これも、デザインしたのだとか・・。
建物だけでなく、ここまで力を入れる、谷口さん!!
所員の皆さんの並々ならぬ努力が目に浮かびます・・!
ちなみに、このエコリウム(ECORIUM)はという言葉は、
エコロジー(ECOLOGY:生体)+アトリウム(ATORIUM: 光を通す材質の屋根で覆われた大規模な空間)らの造語です。

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先端のデッキに立つと、広島湾が見えて晴れた日はとても気持ち良いです。
美しい美術館を建てる谷口さんが、
ゴミ焼却装置を展示品として考えた美術館のようなきれいな施設です。
機械とガラスに囲まれたエコリウムを歩くと、近未来空間を体験できます!!
工場好き・SF好きの方にもおすすめです!
広島市内からは少し離れた場所にありますが、観光にこられた際には是非、
一度、エコリウムを歩いてみてください!

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タテモノ日記.016

またまた、前回の更新から時間が空いてしまい、
いつの間にか、夏が来て・・お盆ももうすぐ終わってしまいます・・・。
前回、山陰の続きで菊竹さんの建物の紹介・・と思っていたのですが、
今年で戦後70年という節目ということもあり、私の地元の広島の建物をご紹介したいと思います!
広島で一番初めに紹介したい建築と言ったら、やはり何といっても、
平和記念公園に建つ、平和記念資料館です。

設計は、このタテモノ日記でも何度も紹介させてもらっている、丹下健三さんです。
この建物は、もう説明がなくても修学旅行等で実物を見たり、8/6のTV中継で見たりと、一度は目にしたことがある建物ではないかと思います。

では、もう少し詳しく紹介していきまししょう。
竣工は、1955年。終戦から10年後です。竣工当時は、縦ルーバーの間に、横ルーバーがあったり、ピロティの天井の梁が表わしだったり、両サイドの渡り廊下はなかったりと、幾度の増改築で少しずつ変わって来ているようです。

この平和資料館は、ピロティにより建物が空中に浮いて見え、縦ルーバーによる、凛としたたたずまいに見入ってしまいますが、実はこの資料館は単体で計画されたのではなく、平和公園・原爆ドームと都市計画まで含めた大きな軸の一つとして計画されているのです。
資料館の前の、平和大通り(通称:100m道路)と直交して原爆ドームに向かう景観軸を定め、その軸上に慰霊碑・原爆ドームがあります。つまり、平和大通りから、資料館のピロティを抜けて、慰霊碑を通して、原爆ドームを見ることができるのです!
資料館が浮いているのは、視線を遮らない・景観軸を通すという役目があるからなのです。
そして、この軸は今でも広島で重要な景観軸として機能しています。

平和記念公園に来た際は、
丹下さんが計画した景観軸の上に立ちピロティを通して慰霊碑、原爆ドームを見てもらえたらと思います。数十年前に計画された景観軸が今もしっかりと見えます。改めて丹下さんの広い視野と都市計画レベルで建築を考えていくことのすばらしさを感じます。

今ここでは、航空写真や、着工当時の写真はないのですが、ネットで検索してもらえると、
平和記念資料館の軸がずっと海までつながっているのが分かります。
竣工当時の写真は、何もないところにこの資料館が建っておりとても象徴的です。
今では周りに高い建物が建って、竣工当時とはかなり変わってしまいましたが、
やはり、力強さは健在で、平和と復興と思いのつまった建物は何年たっても
色あせることがないなと思います。

ちなみに、この海への向かった丹下さんの軸の先には数十年後に建物が建てられました。
そして、その建物もこの軸がつながるように設計されています。
ということで、せっかくなので、次はこの軸の先にある建物を紹介したいと思います!

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タテモノ日記.015

またまた、前回の更新から時間が空いてしまいましたが・・・、
タテモノ日記を更新したいと思います。
今回も、前回に続き山陰の建物を紹介したいと思います。
GWが始まってしまっているので、今更紹介されても・・遅いですが、
山陰にある旅館を紹介したいと思います!

今回の建物は、鳥取県米子市皆生温泉(かいけおんせん)に建つ、老舗旅館、
「東光園(とうこうえん)」のご紹介です。
老舗旅館!?と聞くと、木造の建物で深い庇・瓦屋根で、庭園が広がって・・、
と連想するかもしれませんが、東光園は3000坪の日本庭園がある所は、
思い描いた感じですが、その他は、かなり特徴的です!!

ということで、まずは、どーんと外観を見てもらいましょう!!

これはかなり特徴的ではないでしょうか!?ここまで奇抜だと好き嫌いも別れそうですね。
設計は菊竹清訓氏で、1964年竣工です。この旅館が、今から、半世紀前に建っているなんて、
驚きですね。
きっと50年前、建てているときに、職人さんも、近隣の方も驚いたこと間違いないでしょうね。

さて、この建物、何がすごいの?奇抜な形なだけでは?と思いますが、
いえいえ、すごい建物の構成になっているのです。正面写真から、あれ、4階部分が抜けている!?と気づいたかもしれませんが・・・。
そのとおりです!!
4階部分はピロティー形式の空中庭園で外部空間になっています。
さらに驚きなのは、なんと、1階から7階まで伸びた柱によって、
5階と6階は、7部分から、吊られている、吊り構造になっているのです!!それにより、
客室部分に大きな柱がでないようになっているます。
5・ 6階はなんだか、浮いているようにも・・見えますね!!
ですので、1階の柱は、上部の荷重を支えるのに、添え柱を設け、力を分担するという、
すごい構成になっているのです。改めて構成を理解して、再度、写真を見ると・・・。

すごい発想ですね!!どことなく感じる力強さそこから出ているのでしょうね。
では、内部はというと、外観がとても奇抜で驚かされますが、内部のロビーは大空間に、
杉型枠のコンクリートの柱とパープルのカーペットと、とても上品な空間で落ち着きます。
各階に置いてある家具も特徴的な物が多く、いろんな所に腰かけてみたくなります。
館内を歩いていると、細部まで設計していて、菊竹さんのすごさに本当に驚かされます。

 

少し遠いですが、一度は泊まってほしい旅館の一つです!
ということで、次回も力強い菊竹さんの代表作をご紹介したいと思います!

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タテモノ日記.014

またまた、随分と時間が空いてしまいましたが・・・、
今年1回目のタテモノ日記を更新したいと思います。
今回は、関東地方を離れ、山陰にある建物を紹介したいと思います。

山陰といえば、出雲大社・鳥取砂丘、最近では、世界遺産に登録された、石見銀山遺跡等が
思い浮かぶでしょうか??そんな、山陰の中でも私の是非見てもらいたい建築と言えば、
何といっても、
鳥取にある国宝、“三仏寺奥院(さんぶつじおくいん)“、通称”投入堂(なげいれどう)“です!!

一度は写真で見たことがある方も多いかもしれませんが、とにかく写真を見るだけで、
“どうやって建てたの?どうやって建っているの?”と声が大きくなってしまいそうな
インパクトのある建物です。ということで、まずは、見てもらいましょう!

垂直に切り立った絶壁の窪みに建っています。見ているだけでも緊張感がありますね。

この投入堂、鳥取県のほぼ中央に位置する三徳山(標高900メートル)の最終地点に建っています。険しい山道を1時間くらい登った先にあります。建立は、平安時代後期だそうです。今から、約800年~900年くらい前の建物です。ちなみに、建築方法は未だ謎に包まれているそうです。不思議ですね。
投入堂にたどり着くまでには、文殊堂・地蔵堂・鐘楼等、いろんな建物が建っています。
こちらも、こんな山の中で岩の上に建っていて、神秘的です。


断崖絶壁のがけによってこれ以上近づくことができないので、下から見上げる形の参拝になりますが、一度は実物の緊張感と神秘的な風景を味わってもらいたい建物です!

余談ですが、伝説では、空も飛んだという役行者(えんのぎょうじゃ)が麓(ふもと)で組み立てたお堂を法力で投入れたとされているそうです。そんな伝説も納得してまいそうな場所です。

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タテモノ日記.013

またまた、随分間が空いてしまいました。
その間に夏が来て・・、お盆休みも終わり・・
八月もあと少しに・・・。
そこで今回は、緑の外構デザインがとてもきれいな、
群馬県立館林美術館(たてばやしびじゅつかん)
をご紹介したいと思います!


名前の通り場所は、群馬県館林市日向町です。

竣工は、2000年で、設計は、代表が高橋靗一さんの第一工房です。
2004年には、村野藤吾賞を受賞しています。


建物はというと・・・、

写真からもわかるように、きれいな納まりで、使われている素材がとても上品です。
そして、エントランスに入ると弧を描いた大断面の硝子から見える外構がとてもきれいです。
芝が青い時に是非見てもらいたい景色です
では、この館林美術館のお勧めはというと・・、
なんといっても、ランドスケープ(外構デザイン)と建物が一体で計画されていることによる
気持ちよさだと思います。
全体写真が広くて撮れないので伝わりにくいのですが、Rかかったアプローチに始まり、
敷地中央の芝生を建物がゆるやかに囲んでいます。建物のどこにいても、
中央の芝を眺めることができます。


初めて建築雑誌で見た時に“これは行かないと!!”と思い、それから何度も行っています。
少し都内から離れて自然の中にたっている美術館は
ゆったりして、いつもと違う空間を体験できるのが、訪れた時の一つの楽しみですね。

ここで上空からの写真が載せられないのが残念ですが、
他のページを検索すると航空写真が撮られているので、建物の全体像がよくわかります。
地上目線でみるのとは違いきれいです。よかったら検索してみてください!!


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タテモノ日記.012

今回のタテモノ日記は、前回告知してありました、
隈さん設計の”那珂川町馬頭広重美術館(なかがわまちばとうひろしげびじゅつかん)”の
タテモノ日記です。
場所は、少し遠く栃木県になります。
そして、用途はその名の通り、
浮世絵師・歌川広重の肉筆画を中心とした美術館になります。

さてこの美術館、どんな建物かと言うと、
平屋建に切妻の大屋根と深い庇・・と、とても日本的な外観です。
そして、奥行を感じるこの屋根・壁の外装は、
ほとんどが杉の木ルーバーで覆われています。
自然素材なので、外部に面している部分はだいぶ変色していますが、
その辺りがまた、趣が出ていて私はとても好きです。
知らない人が見ると”美術館??”と通りすぎてしまいそうですが、
近づくと、杉ルーバーで覆われたエントランスがとてもきれいです。


竣工は2000年です。次の年には、
第14回(2001年)村野藤吾賞も受賞しています。
木ルーバーのイメージから、木造!?と思いそうですが、
実は構造は、RC造+一部S造です。
スチールと木の材と組み合わせでこんなに繊細で日本的な建物に
なるんですね。プロポーションと部材の選定が大切なんですね。
さて、前回はの”サニーヒルズ 南青山”はパイナップから連想された
外観でしたが、今回は??というと、
浮世絵の中で、雨を線(ライン)で表現する手法と、
雨の向こうに見える、橋・人・山などを薄く描き重ねていくことで遠近感を出す、
日本の遠近法の手法を、縦の幾層にも重なるルーバーを使い、
この建物で表現しようとしたそうです。
浮世絵の世界を建物に落とし込もうとしたところから、
このルーバーが生まれてきたんですね。奥が深い!

写真ではなかなか杉と鉄骨の繊細さが伝わらないので、
是非、一度本物を見に行って、ルーバーで覆われたエントランスを歩いて
もらいたいです!なかなか体験できない素敵な空間です。
ちなみにこの、馬頭広重美術館、
少し前に紹介した、大谷石資料館から、30分くらいなので、
セットで見に行けてとてもお得です!
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タテモノ日記.011

随分間が空いてしまい、
その間に桜も散り・・、いつの間にか梅雨に
突入していまいました・・。
そこで今回は、じめっとした気分も吹き飛ぶような、
最近、南青山にできた、さわやかな香りとインパクト大の
建物をご紹介したいと思います!

話題になった建物なので、見たことある!!とい方も
多いかもしれませんが、今回は
”SunnyHills at Minami-Aoyama(サニーヒルズ みなみあおやま)”
のタテモノ日記です!

何がインパクト大かというと、とにかく外観です!
見に行くとまず、建物の周りをくるくる歩いてしまいます。
ちなみに、外観に気を取られて建物の用途を忘れてしまいそうですが、
実はこの建物、”台湾発のパイナップルケーキ専門店です!”
私の中では、かなり予想外のお店でした。
この外観は、実はパイナップルのイメージ!?なんですね。
そういわれると、パイナップルに見えるかも。

設計は、隈 研吾(くま けんご)さん。
最近では、浅草文化観光センターや、 GINZA KABUKIZA が有名でしょうか。

私の学生時代は、隈さんと言えば、”ルーバー”というイメージがとても強かったです。
今は、建物と自然・人・時代・記憶などうまく空間構成に組み込んで、
とても器用な方だなーと出来上がる建物を見るたびに思ってしまいます。
ちなみに、私の隈さんの勝手なお勧めは、何年たっても”馬頭美術館”です。
学生時代に建築雑誌で初めて見た時、”絶対本物を見ないと!!”と
思わせた数少ない建物でした。
なかなか行けなかったのですが、数年前本物を見ることができたので、
次回は、ぜひこの”馬頭美術館”を載せたいと思います。

さて、”サニーヒルズ 南青山”に戻ってみましょう。
このインパクトのある外観、実は、”地獄組み”という組み方だ
そうです。昔の欄間障子などの建具で見られる組み方で、
縦と横の格子の桟が、上下交互に組まれていて、
一度組むと簡単にバラすことが出来ないから、”地獄組み”という
名前がついているようです。
今回は、この”地獄組み”を30度の角度をつけて、3次元で立体的に組んでいるとの
ことで・・・・
近寄って、角材をおってみても、どうなっているのか途中で見失ってしまいます。
うーん、監督と職人さんの大変さが伝わってきます。
そして、この”地獄組み”、床も支えていて意匠の外装ではなく、
構造にもなっています。角材、一本一本に力が伝わっていると思うと、
建物の力強さが増しますね。
構造と意匠が一体になって作る空間は力強くていいですね。

内部は、入った瞬間にヒノキのいい香りが漂ってきます。
そして、2Fは、大きなテーブルの上で、なんと、
サニーヒルズのパイナップルケーキを試食できます!
贅沢ですね。
ちなみ、入ってすぐのにエントランスホールに見える
床と同じ仕上げでできたカウンターも素敵です。

さわやかなヒノキの香りと、
パイナップルケーキを食べに南青山まで出かけてみてはどうでしょうか!?

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タテモノ日記.010

随分と間が空いてしまいました・・が、今年1回目の建物日記の更新です。
ついこの間、大雪だ!!と驚いたと思ったら、いつの間にか桜の季節です。 
3月末といえば、年度末で、ばたばたと引渡しに追われる建築業界ですが、
少し落ち着いたら足を伸ばして自然の中でのんびりできたら・・・。

ということで、今回はそんな、のんびりできる建物、長野県の安曇野ちひろ公園に建つ、
”安曇野ちひろ美術館”を紹介したいと思います。
「ちひろ美術館」と言うと、建物よりもまず、“いわさきちひろさん“が有名ですね!!
名前を聞いて“誰だろう?”と思う方も、絵をみたら、一度は必ず見たことがあるのではないかと思います。優しい水彩画の絵は、絵本や挿絵にたくさん使われています。

建物を見るには、その人の人となりが建物にも影響!といいたいのですが、 
今回の美術館は、写真を見てわかるように、ちひろさんの育ったこの大自然の素晴らしさが、
何より建物に影響しています。
北アルプスを望む36500㎡の安曇野ちひろ公園の中で美術館を考えるには、
どこからアプローチをしていけば??と思い悩んでしまいそうです。
さてどんなアプローチでこの建物が生まれたのでしょうか・・?

この、安曇野ちひろ美術館の設計は“内藤廣”さんです。
最近では、駅舎を多く手掛けられていますが、私の中では、用途よりも、内藤さんと言えば、
梁の構造美を建物に取り込んだ力強い空間!!
敷地環境を取込んだ、その場所にしか建てられない建物!!
のイメージが強く、構造美の好きな私としてはとても好きな建物が多い方です。
ちなみに、一番身近な所では、みなとみらい線の馬車道駅が、内藤廣さんですね。

では、安曇野ちひろ美術館にもどりましょう。竣工は、1997年。
RC+木造の地上1階建て建物です。
駅から畑の広がる道を歩いて行くと・・・、
ちひろ美術館の切妻屋根が見えてきます。そして、この切妻屋根は、後ろに広がる北アルプスの
背景の山と重なって、とてもきれいです。建物の色合いといい、廻りの景色ととてもなじんでいます。


   
           そして、エントランスから、切妻屋根の加工材があらわしで見えています。
屋根の棟の部分には曲線の材が入っています。この材によって、梁の加工の力強い印象が、
柔らかく見えてきてとても不思議です。エントランスから、ずっと見入ってしまいそうです。

     
内部は、訪れた人たちが、中庭に面した椅子で、のんびり過ごしています。
心地よさが伝わる一枚です。天井の加工もとてもきれいですね。

     
風景にとけ込む建物・・。なかなか都内では見られない大自然の中に建つきれいな建物です。
少し遠いですが、花見もかねて、少し足を伸ばして中庭でのんびり過ごしてみてはどうでしょうか?

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タテモノ日記.009

今回のタテモノ日記、少し時間があいてしまいましたが、

前回の大谷石採掘場跡地に続いて、 

自然の中に立つ建物を紹介したいと思います。 

と言っても、前回とは違い、自然の中に建っていますが、 

自然とは180度反対の建物・・・工場です!

今までは、中に入って体感!をモットーにしてきましたが、今回は工場なので、

中には入れませんが、外から眺めるだけでも満足できる建物です!!

さて、工場??と思うかもしれませんが、一度この外観をみると、見に行きたくなること

間違いないです!!

 

 

場所は、青梅線の終点、奥多摩駅の近くです。

ここで、ピンとくる方もいるかもしれません!!

奥多摩と言えば、知る人ぞ知る、奥多摩工業の工場です!!

この奥多摩工業、もともとは、鉄道会社であったようですが、国鉄へ買収されてしまった為、

その後、社名を替えて、採掘事業に絞り今に至っているそうです。現在は、奥多摩の奥にある、

鉱山で石灰石を採掘して、この工場へと運んでいるそうです。

 

さて、工場・工業地帯と言うと、なかなか声を上げて好きだ!と言えないことが、

実は多いのが現状ですね。日本の経済の成長を支えてきた頼もしい建物ですが、

公害や、黒い煙等、暗い負のイメージがつきまとっているので、なかなか、かっこいい!

とは言えないですね。

数年前、工業地帯の夜景や機能美、いろんな負のイメージもあるけれど、

はやり、他の建物にはない迫力はすばらしい!!と工業地帯ブームが起きました。

私も、この奥多摩工業は、工場本を購入し一目見て、これは、絶対見に行かないと!

と、青梅線に飛び乗り、友達と見に行った一人です。

 

 

写真でも分りますが、建築の空間が・・とか、この納まりが・・・とか、

そんなことはまったく関係ありません!!

とにかく、こことここが、つながって・・。どことどこがつながって・・。

この小屋みたいなところはどこにつながっているの??増築の上に増築?等々。

疑問とわくわく感が湧いてきます。

そして、

この工場のおすすめポイントは、何といっても、川辺に下りて、下から眺められるところです

かなり近づけます。工場好きの人は、あきないです!

そして、ずっと見ていると、たまに人が出入りするのが見え、そこに入口が!!とか発見があり、

おもしろいです!!

今までの建物とは異なり、かなりマニアックな建物になりますが、

工場好きの方は是非青梅線に飛び乗ってもらえたらです!!

 

 

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タテモノ日記.008

今回のタテモノ日記は、前回のきらびやかな商業建築から、
180度変わって、これからの季節、紅葉と一緒に見られる自然の中にある建物!?を紹介したいと思います。
地下に広がる巨大空間、
“大谷石資料館+採掘場跡地“!!です。
東日本大震災の影響で、2年間程、閉鎖されていたのですが、今年の4月に再オープンしました。
行かれたことがある方も多いでしょうか!?
場所は、栃木県宇都宮市大谷町。
さて、この採掘場跡地の地下空間・・何??どうやってできたの??いつから掘ったの??
と、いろんな不思議と驚きのわく施設です。
ということで、一つずつ追っていきましょう!
まず、この地下採掘場跡地は、資料館の中から、階段で下りていきます。
地下に下りていく階段の順路には
照明が取付てあり、とても幻想的です。
地下の年平均気温は8℃前後なので、下りはじめるとひんやりします。階段を下り終わると4面大谷石でできた、巨大な空間が広がっています。初めはこの空間の気積の大きさにびっくりして、
慣れるのが大変です。
地下の広さは、2万平方メートル(140m×150m)で、野球場が一つ入ってしまう大きさだそうです!
そして、深さは30mで、最も深いところでは地下60mもあるそうです。
薄暗い空間の中のところどころには、地上の光が差し込んでくる場所があり、とても神秘的です。壁には、掘削の爪痕が壁に残っていています。
ここから、切り出された石は約1000万本とのこと。すごい数ですね。



 ちなみに、この地下空間は、
1919年(大正8年)から1986年(昭和61年)までの約70年をかけて、大谷石を掘り出して出来たそうです!!
切り出された石の後に空間ができている!建物の作り方とは逆の発想で面白いですね。

  今ではコンサートや美術展、演劇場、地下の教会としてなど、華やかな用途にも使われているようですが、戦争中は地下の秘密工場として、戦後は政府米の貯蔵庫として使われていたこともあったようです。手掘りから機械堀へと変わっていき、閉鎖され、いろんな用途に変わっていく中で、この空間を、公開できる施設として蘇らせたのは、すばらしいなと思います。
なかなか、こんなに歴史ある神秘的な地下空間はないのではないかと思います。
 
有名な建築家の建物や、新しい技術を取り入れた建物も素晴らしいしですが、自然と人と歴史のある空間の力強さには何もかなわないなと、思ってしまいます。
少し遠いですが、是非、一度足をのばして、体感してもらいたい空間の一つです。

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